Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 508 883 caractères · 1017 écrans

Aozora Bunko

(勝つに決まっているが)

という考えの上に、万が一にもという常識を乗せているのである。それにまた、五条大橋へ高札を掲げたりして、きょうの試合を公開した手前、吉岡一門の威容を張って、かたがた、清十郎の名を、この際、大いに晴れがましく世間へ喧伝させたいという――門下の者としては当然な力瘤も入れる気になって、試合場所の蓮台寺野からそう遠くないこの原にかたまり、やがてここへ立寄るはずの吉岡清十郎を待ちわびているのだった。

ところで――

その清十郎はどうしたのか、いっこう姿が見えないのである。

卯の下刻は、陽あしを見ても、もう迫っている。

「おかしいなあ?」

ここでは、三十余名の者が、そう呟きだして、植田良平の諭す静観の態度もすこしだれ気味になっていると、この乳牛院の原の一群を見て、きょうの試合の場所を、ここと思い違えた群衆がまた、

「どうしたのだ、試合はいったい」

「吉岡清十郎は、どこに来ている?」

「まだ見えんが」

「武蔵とやらは」

「それもまだ来ていないらしい」

「あの侍衆は、何か」

「あれは、どっちかの、助太刀だろう」

「なんのこった、助太刀だけが来て、かんじんな、武蔵も清十郎も来ないとは」