Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 508 883 caractères · 1017 écrans

Aozora Bunko

二

二

武蔵は怒っていた。

だが、この怒りは、卑劣だとか偽かれたとか、対人的に怒っているのではない。元より虫けらのような鼠賊と思いながら、社会的に免しておけない気持がする。いわゆる公憤なのである。

「開けろっ」

いってみた。

当然、開ける筈はない。

足で蹴っても破れそうな雨戸だが、万一を惧れて、武蔵は戸から四尺ほど離れている。それへ手をかけて叩いたり、がたがた試みたりするような不用意は、武蔵でなくとも、多少心得のある人間のすべき業ではない。

「開けないか」

戸の中は、なお、しんとしている。

武蔵は抱え易い程度の岩を両手に持った。いきなりそれを戸に向って抛りつけたのである。

戸の継ぎ目を狙ったので、二枚の戸が内側へ仆れた。その下から山刀が素っ飛び、続いて、一人の男が、這い起きて、家の奥へ逃げ転んでゆく。

武蔵が跳びかかって、その襟がみをつかむと、

「あっ、免せっ」

と、悪人が悪事に失策ると、きまって吐ざく脆い声をあげた。

そのくせ、平蜘蛛になって、謝るのではなく、間断なく隙を狙って、武蔵へ肉闘してくるのである。最初から武蔵も感じていたとおり、賊の頭目だけに、この男の小手技には、かなり鋭いところがある。