Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 508 883 caractères · 1017 écrans

Aozora Bunko

「あ。あ。わかったよ」

伊織は、外へ出られるのが欣しかった。しかも使いの行く先が、柳生様だと思うと、手を振って歩きたくなった。

武蔵も、草履を穿いて、往来へ出た。――そして伊織の小さい姿が、博労宿と鍛冶屋の四つ角を左へ曲がったのを見届けて、

(すこし賢すぎる)

と、ふとそんなことを思いながら――宿の斜向いの「御たましい研所」の板が出ている店を覗いた。

店といっても、格子のないしもた家みたいな構えで、商品らしい物は何も見あたらない。

はいるとすぐ、奥の細工場から台所まで繞っているような土間だった。右側は一だん高い框になっていて六畳ばかり敷いてある。そして、そこを店とすれば、店と奥との堺には、注連が張り廻してあるのが――すぐ武蔵の眼についた。

「御免」

と、武蔵は土間に立った。――わざわざ奥へ向っていったのではない。――すぐそこの何もない壁の下に、たった一つある頑丈な刀箱に頬杖をついて、絵に描いた荘子のように、居眠りをしている男がある。

それが亭主の厨子野耕介という男らしいのである。肉の薄い、そして粘土のような青い顔には研師のようなするどさも見えない。月代から顎までは、怖ろしく長い顔に見えた。