Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lisez 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 188 242 caractères · 380 écrans
城主の後から水泡が行く。恐怖で躰が自由にならない。今にも前方へ仆れそうだ。見開かれた眼は床を見詰め、瞬き一つしようともしない。どうやら瞬きを忘れたらしい。両手を胸の上で握り合わせ、それを夢中で締めつけている。彼女は口の中で叫んでいる。「ああ妾は罰せられる! 以前の人達が罰せられたように! 明日の陽の目を見ることは出来まい。二十人目、三十人目、三十七人目に罰せられるのだ! ああそうではない百人目かもしれない。いやいや二百人目、三百人目! この男は人間かしら? 血の池地獄の主かもしれない!」
一つの部屋の前へ来た。仮面の城主が戸にさわった。と戸が内側へ音もなく開き、華美な女部屋が現われた。
箏が床の間に立てかけてある。
「水泡よ、箏を弾くがいい。そうして俺にも聞かせてくれ。あの男の好きなあの歌をな」
城主は立ったまま命令した。「さあ早く箏を弾け!」
女は黙って顫えている。突然床へ突っ伏した。
「何も顫えることはない。ただちょっと弾くばかりだ」――城主は箏を取り出した。女の前へ押しやったが、「ただちょっと弾くばかりだ。さあ早く弾くがいい」
水泡はソッと顔を上げた。