Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lisez 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 188 242 caractères · 380 écrans
山の傾斜もかなり急で歩くに油断が出来なかった。……ひょっこり雷鳥が子を連れて灌木から顔を出したりした。
庄三郎は走るように下る。
と眼の下に森林があたかも行手を遮るように長く一筋延びていたが、すなわちそこから四合目の森林帯が始まるのであった。
四方カラリと吹き払われ空の蒼さや雲の徂徠まで自由に見られた。灌木帯と違い、森林の中は暗かった。、落葉松、桧などの、斧の味を知らぬ大木が幾万本となく繁り合い光を遮っているからである。
庄三郎の汗に濡れた肌も森林の中へはいると共に一時に清々しく乾いて来た。彼は随分疲労れていたので、
「どれ一休息」と呟きながら腐木の株へ腰をかけた。それから四辺を見廻わした。青々と茂っている羊歯の間から矢車草の白い花が潮に浮かんだ泡沫のようにそこにもここにも見えているのも高原雀が幾百羽となく木の間を縫って翔けているのも、鼻を刺す高い木の馨も、一所劃然と林が途切れそこに湛られた池の水が蒼空が落ちて融けたかのように物凄いまでに碧いのも、そうしてこれと云って姿は見えずまた声も聞こえないながら窃かに逼って来る一種の鬼気! こう云ったものが庄三郎には珍らしくも尊くも思われた。