Classiques japonais avec furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 508 883 caractères · 1017 écrans
病人のお通を援けて来る城太郎であった。
「おお」
松明を振って、男は早くと急き立てて見せる。いたましや、そうでなくてさえ、喘ぎ喘ぎ駈けてくる病人の息は、遠くから聞えるほどだった。
近づくほどに、お通の顔は月よりも血の気がないものに見えた。痩せ細った手足に旅装いを着けているのがあまりにも無理に見える。しかし、松明のそばまで来ると、その頬は、急に紅くなっていた。
「ほ、ほんとですか。……今仰っしゃったのは」
「ほんとだとも、たった今だ」
と、力をこめて話し、
「はやく、追って行けば会える。はやく行け早く!」
城太郎は、まごまごして、
「どっちへさ、どっちへさ。ただ早く行けじゃ分らないじゃないか」
病人と慌て者のあいだに立って一人で癇癪を起してしまう。
四
お通の体があれから急に快くなっているという理はないから、お通がここまで歩いて来たのは、よくよく悲壮な覚悟でなければなるまい。
恐らく、いつぞやの晩、館の病褥にはいってから、城太郎に詳しい話を聞き、
(武蔵様が死を決しておいでになるなら、わたしも病を養って、こうして生き長らえる効いもない)
といい出したことから始まり、やがてはまた、