Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 508 883 caractères · 1017 écrans
そして一丈ほどな崖を跳び上がり、二つ三つそこで呼吸をやすめている様子。
崖の上はゆるい傾斜を持っている山裾の原だった。彼は一望に夜明けを見た。下り松の辻はすぐ下であり、その辻には、吉岡方の逸ぐれた人数が四、五十名もいて、彼が今、小高いところに立った姿を見つけると、一斉にわッとここへ寄せて来た。
今の人数の三倍に殖えたものが、真っ黒にこの山裾の原に集まった。吉岡方の全勢力である。一人一人手を繋げば、大きな剣の環をもって、この原を包んでしまうこともできるほどな人数なのである。一剣、燦々と、針のように小さく、じっと青眼にすえたまま、武蔵は遠く立って待っていた。
五
どこかで駄馬がいなないた。里にも山にも、もう往来はあるはずの時刻。
ことにこの辺は、朝の早い法師たちが、叡山から下りて来るし、叡山へ上って行くし、夜さえ明ければ、木履を穿いて、肩をいからして歩く僧侶の姿を見ない日はない。
そういう僧侶らしい者だの、木樵だの、百姓だのが、
「斬合だっ」
「どこで」
「どこで」
人が騒ぎ出すと、里の鶏や馬までが騒ぎ立てた。
八大神社の上にも一群かたまって見ていた。絶えず流れている霧は、山とともに、その見物人の影を、白く塗りつぶしてしまったかと思うと、またすぐ視野を展いて見せた。