Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 508 883 caractères · 1017 écrans
四
彼の姿は奈良井の宿場の中に見かけられる。軒先の檻に生きた熊を飼っている熊の胆屋だの、獣皮を懸け並べた百獣屋だの、木曾櫛の店だの、ここの宿場もなかなかの雑鬧。
その熊の胆屋の一軒。なんの意味か「大熊」と看板に書いてある角店の前に立って、
「ものを訊ねたいが」
と武蔵がのぞく。
後ろ向きに釜の湯を、自分で汲んで呑んでいた熊の胆屋のおやじが、
「はあ、何でござりますか」
「奈良井の大蔵殿というお人の店はどこであろうか」
「ああ、大蔵殿のお店ならば、これからもう一つ先の辻で――」
と、湯呑み茶碗を持ったまま、おやじは、店頭まで出て来て道を指さしたが、折ふし、外から帰って来たとんぼ頭の丁稚の顔を見かけると、
「これこれ。こちら様はの、大蔵殿のお店を尋ねて行かっしゃるという。あのお店構えは、ちょっと分らんによって、前まで、お連れ申して来う」
と、いいつけた。
丁稚は、頷いて、先にてくてく歩いてゆく。武蔵は心のうちで、その親切にも感じたが、かねて権之助から聞いていた言葉も思い合せて、奈良井の大蔵という者の徳望のほどが偲ばれた。
四
お百草の卸問屋といえば、軒並みにある旅人相手の店の一つのようなものかと思って来たところ、見れば、まるで想像は外れている。