Classiques japonais avec furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 508 883 caractères · 1017 écrans
武蔵は、その間に、賊の人数を目づもりで、ざっと十二、三人と読んで、その中にも、手強そうな男へ眼をつけていた。
土匪たちは山刀を抜きつれた。また、斧を持った男は横へ飛んで来た。猪槍の穂も、それと共に、斜めから武蔵の脾腹を窺うように低くつめ寄って来る。
「いのち知らずめ」
と、ひとりが喚く。
「――一体うぬあ、どこから来た風来人だ。よくも、仲間のものを」
いっている間に、
「……ぐわッ」
斧を持っていた右側の男が、舌でも噛んだような声を出して、武蔵の前をよろよろと泳ぎ抜けた。
「知らぬかッ」
と、血けむる中で、武蔵は刀の切先を引きざまにいった。
「おれは、良民の土を護る、鎮守の神のおつかいだ!」
「ふざけるな」
掠め去った猪突き槍を捨てておいて、武蔵は、山刀の群れの中へ一刀をかざして、駈け入った。
二
土匪が、自分らの力を過大に盲信し、ただ一名だという点に、敵を侮りきっているうちは、武蔵も苦戦であった。
けれど眼のあたりに、その一名のため、仲間の多数が駈け散らされ、ばたばたと斃れ出した事実を見ると、土匪どもは、
(こんなことが一体あることか)
と、錯乱し始め、
(おれが)