Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 508 883 caractères · 1017 écrans

Aozora Bunko

四

と、奥の部屋へ招く。

そして刀箪笥や刀箱から、耕介が選び出した数本をそれへ並べて、

「どれでも、お気に召した物を、どうぞ」

と、いってくれた。

武蔵は、眼も眩む心地がして、選び取るのに迷った。元より彼も、良い刀は欲しかったが、今日まで、彼の貧嚢ではそれを望んでみる余裕すらなかった。

けれど、良い刀には、必然な魅力がある。武蔵が今、数本の中から握り取った刀には、鞘の上から握っただけでも、何かしら、それを鍛った刀鍛冶の魂が手にこたえてくるような気がした。

抜いて見ると、案のじょう、吉野朝時代の作かと思われるにおいの麗しい刀である。武蔵は自分の今の境遇や気持には、やや優雅に過ぎるかと思ったが、燈下にそれを見入っているまに、もうその刀を手から離すのも惜しい気がして、

「では、これを――」

と、所望した。

拝借するといわなかったのは、もう是非に関わらず、返す気持が起らなかったからである。名工の鍛った名作には、人の気持をそこまでつかむ怖ろしい力が必然あるのであった。武蔵は心のうち、耕介の返辞を待つまでもなく、どうかしてこれを、自分の持物にしたいと思った。

「さすがに、お目が高い」