Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lisez 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 188 242 caractères · 380 écrans
二
家の中でも、天幕の中でも、また往来でも「聖壇」でも、信者たちはヒソヒソと噂し合った。
おりから季節は冬であった。
富士のお山も「聖壇」も、その「聖壇」の建物も、そうして巨大な行者の像も、雪の白無垢に包まれた。教団の家々の軒端からは、氷柱が長く垂れ下り、町を流れている小川へは氷が厚く張り詰めた。
冬は静思の季節である。
教団にとっては反対であった。
疑惑、不安、不信、動揺、そうして議論の季節であった。
二
教団の周囲の荒野では、餌に饑えた獣たちが吠えていた。
狼たちは群をなし、熊は妻と子供とを連れ、猪はいつも一人ぼっちで、餌食はあるまいかと探し廻わっていた。
勇敢な熊がある夕方、教団の中へ忍び込んだ。そうして一頭の馬を盗んだ。
つづいて猪が忍び込み、納屋の野菜を掠奪した。
と、狼が隊をつくり、突然「聖壇」の裏手へ現われ、鶏と犬とを食い殺した。
しかも教団の人々は、それに備えようともしなかった。彼らは議論し、やっつけ合い、咒いの言葉を浴びせ合った。
一軒の家では老いた夫婦が、互いに口穢く詈っていた。と女房の鋭い爪が、良人の右の眼を刳り抜いた。
するとまた一軒の若夫婦の家では、荒淫に耽っている間に、一粒種の二つになる子が、川へ落ちて死んでしまった。