Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lisez 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 188 242 caractères · 380 écrans

Aozora Bunko

六

次第に靄が晴れて来た。カラリと裾野が見渡される。

やがて別れの時が来た。

「さらば」「おさらば」と声を掛け、庄三郎は麓を指し、二人の者は屋敷の方へ露を分けて帰って行った。

庄三郎は元気よくスタスタ裾野を下へ下る。

六

「あの二人は余りに寂しい。悪い運命に逢わねばよいが」庄三郎は歩きながら、主水と松虫の身の上を思いやらざるを得なかった。

「日本の文学古典には驚くばかり精通し若いに似合わぬ学者ではあるが、武術に至っては農夫にも劣り、槍にも太刀にも用がないとは、この乱れた戦国の世にはどうにも向かない不具者。上杉家中で直江と云えば天晴れ名門であるべきに、主水殿のあの有様ではただ歯痒いと云わなければならない」

などと思いもするのであった。

陽は次第に高く上り、やがて昼となり午後となった。その時またも道に迷い、あらぬ方面へ来たことに庄三郎は気が付いた。

「困った事だ」と呟いて野の上へ思わず突っ立ったが、しかし茫然り立っていたところで別に妙案が浮かびそうもない、でまた、スタスタ歩き出した。鬱々とした森がある。それを突っ切ると杉の小山。その小山の裾を巡り、ふと行手を眺めると野が眼の前で尽きていた。