Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lisez 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 188 242 caractères · 380 écrans

Aozora Bunko

……どうなされました?」

「行かずばなるまい。行って見よう。自分の醜い宿命を真正面から見るということも、自分のような呪咀われた者には、時あって必要な事かも知れない。そうだ、ともすれば鈍ろうとする復讐の念を強めるためにも、また時あって湧き起こる惻隠の情を消すためにも……」

「どうなされました。おいで遊ばせ」

「今、参る」

と陶器師は金襴の垂れ布をつと開いた。

眼の前に展開かれた洞窟の態は別に奇もなく不思議もない。二人並んでは歩き悪いほどのきわめて狭い横穴が長々と延びているだけであったが、左右の岩壁に平行して岩棚が二筋作られてあり、方一尺ほどの白木の箱が無数に整然と置かれてあることが不思議と言えば不思議とも言えよう。一つ置かれた燭台の火が石竹色に四方を照らし、佇んでいる二人の影を岩壁の面へ写し出している。その影がゆらゆらと揺れるのは風がどこからかまぎれ込むのであろう。……長々と延びた横穴の彼方、闇に鎖ざされた遥かの奥からあたかも大河の流れるような轟々という水の音が、もちろん幽かではあるけれど仄かにここまで聞こえて来るのは、東鑑に記されてある――仁田四郎が究め損ったという、富士の底根を貫き流れるその大河の音かも知れない。