Classiques japonais avec furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 508 883 caractères · 1017 écrans
だが小次郎の眼からそれをみれば、あのような観察が起るし、小次郎の口からいわしめると、今いったような結論になる――とすると、この解決は、どうしても、武蔵が言外に含めたように、
(今はいわぬが、忘れぬぞ)
という、言葉の味をもって、未来を番えておくほかにあるまい。
複雑な感情は働いていたにしても、佐々木小次郎もまた、まったく根底のない出たらめを放言したつもりではない。彼は自分の観たところから公正な判断を下したまでだと思っているし、いかに武蔵の実力をあの程度に見ても、その武蔵が自分以上の人間だとは今もなお決して思っていない彼であった。
「……ウム、よろしい。憶えているといった其許の一言、小次郎も慥に覚えておこう。きっと忘れるなよ、武蔵」
「…………」
武蔵は黙ったまま、また微笑してうなずいた。
連理の枝
一
柴折戸の入口から、城太郎は声張りあげて、
「お通さん、ただ今」
奥へ呶鳴っておいてから、彼は、そこの家を繞っているきれいな流れの側に坐りこみ、ざぶざぶと脛の泥を洗っていた。
山月庵。
茅葺きの合掌に、木額の白い文字が仰がれる。燕の子が、そこらに白い糞をちらし、ピチピチと囀りながら、足を洗っている城太郎を見おろしていた。