Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

Lisez 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 257 350 caractères · 507 écrans

Aozora Bunko

兄嫁の急逝

兄の友だちの中にも大分そういう人があったが、明治二十年に私を連れて帰京するときには、もうきちんと洋服を着て、帽子をかぶっていたのだから、ほんの一時期だけの現象にすぎなかったのであろう。これはまったく、鹿鳴館風俗に対する反抗であった。「東京ではみなこうです」などといっていたことも、よく覚えている。

二年に一度ずつ帰って、郷党の人々に中央の動きを聞かせたので、田舎では大変重きをおいていたらしく、兄をすっかり大人扱いにしていた。父などことにそうで、酒を飲みながら、いろいろ語る兄の二年間の進歩ぶりや、世の中の移り変りなど、それはそれは熟読玩味していたようである。母親も側にいて、じつに心を入れて聞いていた。そのころの「親の幸福」というものはいま思ってもいちばんだったのではないかと思う。

兄嫁の急逝

次兄と婚約していた兄嫁の井上マサは、はっきり判らないが、多分明治十八年に東京へ出てきて、巌本善治の明治女学校に入った。前にのべた『文学界』の事務所をあずかっていた中川恭次郎が、巌本校長一家とも親しかったので、いろいろと義姉の世話をしてくれたということである。

その義姉が明治女学校を無事に卒業したので、一族がやれうれしやというので、一遍郷里へ帰って国で結婚の式を挙げたのであったかと思う。