Classiques japonais avec furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lisez 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 257 350 caractères · 507 écrans
捕獲審検所のころ
三十九年には北海道を歩いた。そのついでに私だけ一行と分れて、新領有の樺太へ渡った。上半期に家内がチフスにかかって危かったが、幸いによくなったので、ひとつ北海道へ行って来ないかとのすすめを受けたのであった。その時の日記はいま読んでみても大変面白い。
捕獲審検所のころ
私の大学を出たころは、たいていどこかの私立大学へ講義に行かせられたものである。まあ一つの関門であった。私も明治三十四年から五年にかけて、早稲田へ出かけて行った。また三十五年から日露戦争の前まで、専修大学に行っていたこともある。科目は農業政策であった。そのずっと後に、慶応に招かれて民俗学を教えたこともある。
早稲田の時に教えた学生には、大山郁夫、永井柳太郎などの諸君がいた。大山君はいつも首席で、播州赤穂郡(現相生市)の出だったが、その時分から理性の勝った性格であった。永井君の方は、どうしてなかなか熱心で、時々教壇の側へ来て質問をしたりしていた。文科の方ではやはり吉江孤雁君などが旧い方であろう。謝礼は一回が二円であった。
そのうち日露戦争になり、いつ召集されるかも知れないというので、戦争に関係のある仕事をしている方がよかろうということになり、捕獲審検所に出ることになった。