Classiques japonais avec furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lisez 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 257 350 caractères · 507 écrans
湖処子の『帰省』
もっともよく本を読んだのは、一つには身体が弱く長生きしないと覚悟をきめていたからである。
あの時分、われわれの理想としていちばん読んだのは、『大阪新繁昌詩』というのであった。大阪で名を知られた田中とかいうお医者さんの息子が、十九で早死したのを悲しんで、亡児の漢文と詩とをのせて出したのが、この本であった。筆の風格が高いだけでなく、若くて名をなしたというので、大変若いものの心を誘ったものであった。もっともあのころは、こんな早死の才人のことを、もてはやす風潮も一方にはあった。
私は早く親もとを離れ、下総に来て二年間も素裸で棒切れをもってとびまわったりしたのが、かえってよかったのであろう。バイロンやシェリイや高青邱など、若死した人の伝記をよんで、自分もまあ四十までは生きないと思いこんでいた。後年よく友達から、「おい柳田、もう四十になったぜ」なんてからかわれたものであった。
湖処子の『帰省』
私には若いころの詩集が一つある。六人の仲間のものを集めた新体の詩集で、『抒情詩』という名で出されている。才気のあった国木田独歩が、六人の詩を集め、国民新聞にいた関係から、民友社に話して出したものであった。