Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lisez 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 257 350 caractères · 507 écrans
女中が四、五人もいたが、泊り客のないときには、私どもをサラ湯に迎えてくれたりした。
そのおこうと夫が喧嘩をすると、いつも家を飛び出して私の母のところへ泣く泣く訴えに来た。月に一ぺんぐらいはあったと思うが、子供の私の見ている前で、泣いたりわめいたりして母に訴えた。母は一応それを聞いてやりながら、普段からとっときのなだめ言葉を並べて、相手の気持を鎮めてやるように努める。
そのうちにいつの間にか、おこうは泣き止んで夫への不満をひっこめ、ニコニコして帰って行くのであった。
番忠の女房だけでなく、もう少し高級な村のインテリ婦人までが、何人も母のところへ泣きながら訴えて来たのを、子供心によく覚えている。なかには私の祖母の寺子屋で、唐詩選を書いたカルタを取ったりした婦人までが、なまじっか亭主より少し余計に漢字を知っていたばかりに、亭主に屈しないで夫婦喧嘩をする。そして私の母のところへ訴えて来たのを、母は巧みに裁いて、笑顔で帰すようにしていた。その婦人たちの中には私を可愛がってくれた人もいたので、私はことにはっきりその人のことを憶えている。
長屋の夫婦喧嘩というものが一つの年中行事になって、三馬の小説などには絵入りのまであった。