Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lisez 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 188 242 caractères · 380 écrans

Aozora Bunko

しかし何よりも驚くべきはその美しい色艶で、燃え立つばかりに紅かったが、単に上辺だけの紅さではなく、底に一抹の黒さを湛えた小気味の悪いような紅さであり、ちょうど人間の血の色が、日光の加減で碧くも見えまたある時は黄色くも見えまた黒くも見えるように、その紅巾も日光の加減で様々の色に見えるのであった。

「うむ、まるで玉虫のようだ」

庄三郎はこう思いながら、その気味の悪い紅巾に次第に愛着を覚えるようになった。

「とにかく一度でも俺の眼に父上の御名の現れた布だ。多少の縁がないとは云えまい」

こうも思って紅巾を肌身放さず持つ事にした。

やがて桜が散り山吹が散った。芒の芽が延びて来た。春が忽と逝ったのである。五月雨、木下闇、蚊の呻り、こうして夏が来たのである。

甲斐の盆地の夏景色は、何んともいえず涼々しく、釜無河原には常夏が咲き夢見山には石楠花が咲き、そうしてお館の木深い庭を蛍が明滅して飛ぶようになった。

ある夜、信玄は十数人の家来と、中曲輪の密房で、一枚の地図を中にしてひそかに軍議に更けっていた。

第一の寵臣高坂弾正、兵法知りの山本道鬼、勇武絶倫の馬場、山県、弟信繁、子息義信、伊那の郡代四郎勝頼、土屋惣蔵は云うまでもなく、特別をもって庄三郎も軍議の場所に列せられ、尚他に諸角豊後、穴山梅雪、武田逍遥軒、板垣駿河、長坂釣閑、