Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lisez 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 188 242 caractères · 380 écrans

Aozora Bunko

進むかと思えば後へ退き、左へ行くかと思えば右へ反れ、船の進路は定まらなかった。

要害を知らせないためであった。

船夫の姿さえ解らなかった。

それにも拘らず甚太郎は、その船夫へ話しかけた。

「……思い出しても気味が悪い。……庭を歩いていた時だ、ヒョイと上の方を見上げると、そのエテものがいたじゃねえか。赤い陣羽織に、灰色の仮面! 望楼の上からこの俺を、じっと見下ろしていたものさ。おやと思って見直すと、もうどこにもいなかったっけ。……なんだか酷く寂しそうだった。そうして酷く憐れっぽかった。心配があったに違えねえ。気の毒な人に違えねえ。寂しい寂しい人なんだろう。……うんそれから、こんな事があった。こいつあノベツにあったことだ! ある晩廊下をブラツイていると、何奴か俺を背後から、確かに見詰めているじゃねえか。なんだか変にゾッとして、不意に背後を振り返って見ると、篦棒め誰もいないってものさ。が、確かにいた筈だ。あの人がいたに相違ねえ。うん、そうだ、仮面の大将がな。……俺らが自分の部屋にいると、何奴か窓から覗いたっけ。で、じっと眼を据えると、ふん、こいつも箆棒だ、誰も覗いちゃいねえじゃねえか。