Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lisez 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 188 242 caractères · 380 écrans

Aozora Bunko

「新兵器のご製造か。……が、そいつが出来上がった頃には、甲府に人種がなくなるだろう」

笠を冠った癩人が云った。その癩人は肥えていた。四斗樽のように膨れ上がっていた。

「健康ならどんなにいいだろう。……地獄の工場へでも行ってやる」

山伏姿の癩人が云った。指が鉤のように曲がっていた。

「働いても働いても食えなかった。昔はね、昔はね。ああ今は働くことさえ出来ない」

蔭の方で誰かが云った。

「可愛がっていた女も癩になったよ。ヒ、ヒ、ヒ、……ヒ、ヒ、ヒ」

笑う声が聞こえて来た。

誰も何んとも云わなかった。

闇は益々濃くなった。寒さはいよいよ強くなった。

と、突然鬨の声が起こった。お館の方へ行くらしかった。門を叩く音がした。烈しい叱咤の声がした。バタバタと逃げ去る足音がした。

次第次第に静まった。また静寂が返って来た。

しかし普通の静寂ではなかった。底に無限の恐怖を湛えた、それは一時的の静寂であった。

焚火は漸次消えて来た。

と、一人が立ち上がった。土塀の側へ歩いて行った。屋根板をむしる音がした。二三人が立ち上がった。土塀の側へ歩いて行った。そうして仕事を手伝った、で、円陣に空が出来た。