Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lisez 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 188 242 caractères · 380 écrans

Aozora Bunko

「恐怖の恋だ、俺達の恋は、泣こうとしても泣けない恋だ。語っても同情されないだろう」源之丞は項垂れた。「もう幾年になるだろう? 百年も以前の出来事のようだ。そうかと思うとつい最近、二三日以前の出来事のようだ。……晩春初夏、藤の花の盛り、それは四月のある日だった。鎧橋通りの屋敷を出て、海岸の方へ歩いて行った」

月子の声が聞こえて来た。

「舟は唐崎へ着きました。誰か植えたる一つ松! 唐崎の松はびょうびょうと、夜風に鳴っておりました。が白拍子は船から出て、上陸しようとはしませんでした。山を越え、河を渡り、どうして京都へ行かれましょう。一杯になった壺の涙を、湖水の中へ捨てました。と琵琶湖の水量が、一時に増したと申します。で小舟はユラユラと、沖へ出かけて行きました」

「浜には沢山人がいた。干潟に貝が散っていた。そこで逢った一人の女! その時見た女の眼!」源之丞は蹲まった。

「……妾は空虚でございます! 妾は満たされておりません! どうぞ妾を満たしてください! こう云っているような眼であった。……愛に饑えている眼であった。待ち設けている眼であった。……その眼が俺を見詰めていた! ……醜貌と武道とで名の高い、北条内記の妻女の眼! ……瞬間に俺は退治られた。