Classiques japonais avec furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lisez 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 414 caractères · 289 écrans
まだそう悲観する年でもないし、捜せばいくらでもあるものだよ。」
「そう仰有いますけど、縁というものはあるようでないもんですわ。」
「ないようであるものさ。考えよう一ツだよ。」
「では、いいとこが御在ましたら、御世話を願います。」
「お千代さん、あなた、いくつです。二十五か六くらいかね。」
「そう見て下されば結構です。実はもう八なんで御在ます。」
愛嬌好く笑いながら派出婦は膳を引いた後、すぐ飯櫃を取りに来てまた姑く話をして勝手へと立去った。
重吉は寐るより外に何もする事がない。心の中では、死んだ種子の衣類や貴金属品の仕末をつけると共に、この家も早く畳んで、これから先は自分の給料だけで暮らせるような処置を取らなければならないと、考えながら、何一ツ手をつける気が出ない。火鉢の火の灰になったのもそのままに重吉は懐手してぼんやり壁の上の影法師を眺めている。やがて小女が番茶を入れて持って来た。
「お千代さんはどうした。もう寐てもいいと言っておくれ。」
「はい。」と小女が立って行くと間もなく派出婦のお千代が湯婆子を持って襖を明け、
「あら。お蒲団が引いてあると思ったら。どうも済みません。