Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
お通は、幾分か気づよくなって、
「火って、賑やかなものですね」
「心ぼそかったのか」
「それは……誰だって、こんな山の中で夜を明かすのは、いいものじゃないでしょう。……それに、雨が降って来たらどうする気です?」
「登ってくる途中、この下の道に横穴を見ておいた。降ったらあそこへ逃げ込もう」
「武蔵さんも、晩や、雨の日は、そんな所に隠れているんでしょうね。……一体、村の人は、何だって、あんなにまで武蔵さんを目のかたきにするのかしら」
「ただ権力がそうさせるのだな、純朴な民ほど官権を怖がるから、官権を怖るる余り、自分たちの土……兄弟を、郷土から追い出そうとする」
「つまり、自分達だけの身を庇うんでしょう」
「無力の民には、そこは恕すべきところもあるが」
「気が知れないのは、姫路のお武士たちです、たった一人の武蔵さんを、あんなにまで、大騒ぎしなくっても」
「いや、それも治安のためにはやむを得まい。そもそも武蔵が関ヶ原から絶えず敵に追われているような気持に駆られていたので、村へ帰るのに、国境の木戸を破って入って来たのがよろしくないことだ。山の木戸を守っていた藩士を打ち殺し、そのため次から次へと、人間を殺めなければ、自分の生命が保てなくなったのは、誰が招いた禍いでもない、武蔵自身の世間知らずから起ったことだ」