Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
五
「一しょに尾いて来たと思ったら? ……」
と、誰かを捜すように、見まわしていたが、やがて、両手を唇にかざして、山の上へ向い、
「城太郎さアん。城太郎さアん」
と、呼び出した。
その声を聞いたり、姿を近く見ると、武蔵は顔を紅らめてこそこそと樹蔭へかくれてしまった。
五
「――城太さアん」
間を措いて、彼女がまた呼ぶと、こんどは明らかに返辞があって、
「おウーイ」
と、間の抜けた答えが、竹林の上のほうでする。
「あら、こっちですよ。そんな方へ道を間違えては駄目。そうそうそこから降りておいでなさい」
やがて孟宗竹の下を潜って、お通のそばへ城太郎は駈けて来た。
「なアんだ、こんなところにいたのか」
「だから、私の後に尾いておいでなさいといったでしょう」
「雉子がいたから、追いつめてやったんだ」
「雉子などを捕まえているよりも、夜が明けたら、大事な人を捜さなければいけないじゃありませんか」
「だけど、心配することはないぜ。おれのお師匠様に限っては滅多に討たれる気づかいはないから」
「でも、ゆうべお前は、何といって、私のところへ駈けつけて来たの? ……今、お師匠様の生命が危ないから、大殿様にそういって、斬り合いをやめさせてくれと呶鳴って来たじゃありませんか。