Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
四
――ご馳走もせねばならんじゃろうし、どじょう髯の機嫌もとらずばなるまいて」
と、お通の背を撫でて、
「其女も、幼少から、此寺の和尚には、育てられて来た人。こういう時には、住持の手伝いになってやれ。……よいか。ちょっと、顔を出せばよいのだ」
「え……」
「さ、行こう」
抱き起すと、涙の蒸れたにおいの中から、お通は、ようやく顔を上げて、
「沢庵さん……じゃあ参りますから、すみませんが、あなたも一緒に方丈にいてくれませんか」
「それやあ関わないが、あのどじょう髯の武士は、わしが嫌いらしいし、わしも、あの髯を見ると、何か、揶揄いたくなっていかんのじゃ。大人気ないが、そういう人間がままあるもんでな」
「でも、私、一人では」
「住持がいるからよいではないか」
「和尚様は、私がゆくと、いつも席を外しておしまいなさるのです」
「それは不安だ。……よしよし、一緒に行ってやろう。案じないではやく、お化粧をしておいで」
四
方丈の客は、やがてお通も見えたもので、曲がりかけていたお冠もやや直り、悦に入って、酒杯もかさね、あから顔のどじょう髯に対立して、眼じりもおもむろに下がって来た。
しかしまだほんとのご機嫌になりきれないものがある。