Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

三

だから、この手紙は、新陰堂の役人のほうへ持ってゆくがよろしい」

そう諭して、

「わかったか」

すると、城太郎は、

「わからない」

と、首を振って右の肩をすこし昂げ、

「おい、おじさん」

「なんじゃ」

「人を見てものをいいなよ。おれは、乞食の弟子じゃないぜ」

「ふム。貴さま……、ちょっと口がきけるの」

「もし、手紙を開けて見て、おじさんがいったことと、書いてある用向きと、まるで、違っていたらどうする?」

「むむ……」

「首をくれるかい」

「待て待て」

栗のイガを割ったように、喜左衛門は顎髯の間から、赤い口を見せて、笑ってしまった。

三

「首はやれん」

「じゃあ、手紙を見ておくれよ」

「小僧」

「なんだい」

「貴さまが、師の使命を恥かしめぬ心にめでて、見てつかわす」

「あたりまえだろ。おじさんは柳生家の用人じゃないか」

「舌は、絶倫だな。剣もそんなになればすばらしいが……」

いいながら封を切って、武蔵の手紙を黙読していたが、読み終ると、庄田喜左衛門は、ちょっと、怖い顔つきをした。

「城太郎。――この手紙のほかに、何か持って来たか」

「あ、忘れていた、これを」

ふところから、無造作に出したのである。