Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

三

「――じゃあ、頼んだぜ。又八って人が、見つかったら、屹度、今の言伝てをしといておくれ」

用が済むと、先を急ぐように城太郎は、河原の堤へ駈け上がった。

「あっ、待って!」

朱実は、追いすがった。彼の手をつかまえて、何をいおうとするのか、城太郎の眼にも眩ゆいほどその顔は、美しい血でぽっと燃えていた。

三

「あんた、何ていう名?」

熱い息で、朱実が訊く。

城太郎は――城太郎と答えて、彼女の悩ましげな昂ぶりを、変な顔して見上げていた。

「じゃあ、城太郎さん、あんたは何日も武蔵さんと一緒にいるのね」

「武蔵様だろう」

「あ……そうそう武蔵様の」

「うん」

「わたし、あのお方に、ぜひ会いたいのだけれど、どこにお住まいなの」

「家かい、家なンかねえや」

「あら、どうして」

「武者修行してるんだもの」

「仮のお旅宿は」

「奈良の宝蔵院に行って訊けばわかるんだよ」

「ま……。京都にいらっしゃると思ったら」

「来年くるよ。一月まで」

朱実は何かつきつめた思案に迷っているらしかった。――と、すぐ後ろのわが家の勝手口の窓から、

「朱実っ、いつまで、何をしているんだえ! そんなお菰の子を相手に油を売ってないで、はやく用を片づけておしまい!」