Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
三
でいる。
「お通、どうじゃの、わしが挿けた花は生きておろうが」
伊賀の壺に、一輪の芍薬を投げ入れて、石舟斎は、自分の挿けた花に見惚れていた。
「ほんに……」
と、お通はうしろから拝見している。
「大殿さまは、よほど茶道もお花もお習いになったのでしょう」
「うそを申せ、わしは公卿じゃなし、挿花や香道の師についたことはない」
「でも、そう見えますもの」
「なんの、挿花を生けるのも、わしは剣道で生けるのじゃ」
「ま」
彼女は、驚いた目をして、
「剣道で挿花が生けられましょうか」
「生かるとも。花を生けるにも、気で生ける。指の先で曲げたり、花の首を縊めたりはせんのじゃ。野に咲くすがたを持って来て、こう気をもって水へ投げ入れる。――だからまずこの通り、花は死んでいない」
この人のそばにいてから、お通はいろいろなことを教えられた気がする。
――ほんの道ばたで知り合ったというだけの縁で、この柳生家の用人である庄田喜左衛門に、無聊な大殿へ、笛の一曲をと望まれて従いて来たのであったが――
その笛が、ひどく、石舟斎の気に入ったものか、また、この山荘にも、お通のような若い女のやわらかさが一点はあって欲しいと思われたのか、お通が、