Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
二
「お!」
武蔵は、その人々のうしろから、松火の明りが円い空地を作っている中をのぞいて、愕然とした。
案のじょう、そこに突っ立っていたのは鬼の子のように、血まみれになっている城太郎であった。
木剣を提げ、歯を食いしばり、肩で息をつきながら、自分をとり囲んでいる藩士たちを、白い眼で睨みつけている。
その側には、毛の黒い紀州犬の太郎が、これも、無念な形相をして、牙を剥き出し、四肢を横にして斃れているのだった。
「? ……」
しばらくものをいう者もなかった。犬の眼は、松火の焔に向って、くわっと開いているけれど、口から血を吐いているところを見ると、完全に死んでいるのである。
二
唖然として、そこの有様に眼をみはっていたが、やがて誰かが、
「オオ、ご愛犬の太郎だ」
うめくように呟くと、
「こいつ奴」
いきなり一人の家臣は、茫然としている城太郎のそばへ行き、
「おのれかッ、太郎を撃ち殺したのは」
ぴゅっと掌のひらが横に唸った。城太郎はその掌が来る咄嗟に顔を交わして、
「おれだ」
と、肩を昂げて叫んだ。
「なぜ撃ち殺した?」
「殺すわけがあるから殺した」
「わけとは」
「かたきをとったんだ」