Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

「オヤ、鈴の音がする」

耳を澄まして――

「朱実というあの小娘が来たらしいぞ」

小屋の外で、跫音が止まった。その人らしい。啄木のように、外から軽く戸をたたく。

「又八さん、武蔵さん」

「おい、誰だ」

「私です、お粥を持って来ました」

「ありがとう」

筵の上から起き上がって、中から錠をあける。朱実は、薬だの食物だのを運び盆にのせて、

「お体はどうですか」

「お蔭で、この通り、二人とも元気になった」

「おっ母さんがいいましたよ、元気になっても、余り大きな声で話したり、外へ顔を出さないようにって」

「いろいろと、かたじけない」

「石田三成様だの、浮田秀家様だの、関ヶ原から逃げた大将たちが、まだ捕まらないので、この辺も、御詮議で、大変なきびしさですって」

「そうですか」

「いくら雑兵でも、あなた方を隠していることがわかると、私たちも縛られてしまいますからね」

「分りました」

「じゃあ、お寝みなさい、また明日――」

微笑んで、外へ身を退こうとすると、又八は呼びとめて、

「朱実さん、もう少し、話して行かないか」

「嫌!」

「なぜ」

「おっ母さんに叱られるもの」

「ちょっと、訊きたいことがあるんだよ。