Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
――どこかの大名の名ある家臣にちがいないと城太郎にも思えたので、ちょっと、馴々しく言葉がかけ難いのであった。
すると、幸いに、
「小僧」
と、向うから呼んでくれた。
「はい」
「お前だろう、万福寺の下で、この状入れを落したのは」
「ああ、あったあった」
「あったもないものじゃ、礼をいわんか」
「すみません」
「大事な返書ではないか。かような書面を持つ使いが、馬に悪戯したり、牛車の尻に乗ったり、道草をしていては主人に相済むまいが」
「お武家さん、中を見たね」
「拾い物は、一応中を検めて渡すのが正しいのだ。しかし、書面の封は切らん。おまえも中を検めて受け取れ」
城太郎は、竹筒の栓を抜いてから、中をのぞいた。吉岡道場の返書はたしかに入っている。やっと安心して、また頸へかけながら、
「もう落さないぞ」
と呟いた。
眺めていた旅の若い女は、城太郎の欣ぶのを共に欣んで、
「ご親切に、有難うございました」と、彼のいい足らない気持を、彼に代って礼をいった。
髯侍は、城太郎やその女性と、歩調をあわせて歩みながら、
「お女中、この小僧は、あなたのお連れか」
「いいえ、まるで知らない子でございますけれど」