Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

五

「あ、冷たい」

と、飛びあがった。

五

着ている風呂敷で、沢庵は、顔や頭のしずくをこすりながら、

「こらっ、お通阿女、なにをするか。この家で、茶をもらおうとはいったが、水をかけてくれとは誰もいわぬぞ」

お通は、泣き笑いに笑ってしまった。

「――すみません、沢庵さん、ごめんなさいませ」

謝ったり、機嫌をとったり、また、そこへ望みの茶を汲んで与えたりして、やがて奥へもどって来ると、

「誰ですか、あの人は」

と、お吟は、縁のほうを覗いて、眼をみはっていた。

「お寺に泊っている若い雲水さんです。ほら、いつか、あなたが来た時に、本堂の陽あたりで、頬づえをして寝そべっていたでしょう。その時、わたしが、何をしているんですかと訊ねると、半風子に角力をとらせているんだと答えた汚い坊さんがあったじゃありませんか」

「あ……あの人」

「え、宗彭沢庵さん」

「変り者ですね」

「大変り」

「法衣でもなし、袈裟でもなし、何を着ているんです、いったい」

「風呂敷」

「ま……。まだ若いのでしょう」

「三十一ですって。――けれど、和尚さまに訊くと、あれでも、とても偉い人なんですとさ」

「あれでもなんていうものではありません、人はどこが偉いか、見ただけでは分りませんからね」