Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate

Aozora Bunko

三

しかしこれは私一代の過ちで、そのため、共に汚名を着たり、天下の憎まれ者になりましたから、なおさら、自重しております」

宛城の内外は、戦火をまぬかれて、平和のための外交がすすめられていた。

曹操は、宛城に入って、城中の一郭に起居していたが、或る夜のこと、張繍らと共に、酒宴に更けて、自分の寝殿に帰って来たが、ふと左右をかえりみて、「はてな? この城中に美妓がいるな。胡弓の音がするぞ」と、耳をすました。

三

彼の身のまわりの役は、遠征の陣中なので、甥の曹安民が勤めていた。

「安民。おまえにも聞えるだろう。――あの胡弓の音が」

「はい、ゆうべも、夜もすがら、哀しげに弾いていたようでした」

「誰だ? いったい、あの胡弓を弾いている主は」

「妓女ではありません」

「おまえは、知っているのか」

「ひそかに、垣間見ました」

「怪しからんやつだ」

曹操は、戯れながら、苦笑してなお訊ねた。

「美人か、醜女か」

「絶世の美人です」

安民は、大真面目である。

「そうか、……そんな美人か……」と、曹操は、酒の香をほッと吐いて、春の夜らしい溜息をついた。

「おい。連れて来い」

「え。……誰をですか」