Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate
青梅、酒ヲ煮テ、英雄ヲ論ズ
一
「また、飲んだのだろう」
「いや、飲まん飲まん」
「夏が近いな、もう……」
「梅の実も大きくなってきた。しかし一体、うちの大将は、どうしたものだろう」
「うちの大将とは」
「兄貴さ」
「この都にいるうちは少しことばをつつしめ。ご主君をさして、兄貴だの、うちの大将だのと」
「なぜ悪い。義兄弟の仲で」
「貴様はそう心易くいうが、朝廷では皇叔、外にあっては、左将軍劉予州ともあるお方だ。むかしの口癖はよせ。わが主君の威厳を、わが口で落すようなものだ」
「そうか。……なるほど」
「何をつまらなそうな顔しておるんだ」
「何をって、その左将軍たるものが、ここのところ毎日、何をやっているか知っているか貴様は」
「知っている」
「陽気のせいで、すこし頭が悪くなったんじゃないかとおれは真面目に心配しておるのだ」
「誰のことを」
「だからよ。わが主君たる人の行いをさ」
「どうして?」
「どうしてだと。まあ立ち話ではできん。かりそめにも、ご主君のうわさだから」
「すぐしッぺ返しをしおる。貴様ほど意地ッ張りなやつはないな」
苦笑しながら、関羽もならんでそこらの石に腰かけた。
彼方に、たくさんの馬を繋いでいる厩舎が見える。