Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate

Aozora Bunko

五

「なに、酒蔵役人がもう渡さんと。――ふ、ふ、不埓なことを申すやつだ。張飛の命令であるといって持ってこい。もし、嫌の応のといったら、一小隊で押しよせて、酒蔵を占領してしまえ。……あはははは」

幾つかの酒瓶を転がして、自分の肚も酒瓶のようになると、彼はしきりと、

「わははは。いや愉快愉快、誰か勇壮な歌でも唄え。其方どもがやったら俺もやるぞ」

酒蔵役人の注進で、曹豹が、びっくりして駆けつけて来た。見ればこの態たらくである。――唖然として呆れ顔していると、

「やあ、曹豹か。どうだ、君も一杯やらんか」

張飛が酒柄杓をつきつけた。

曹豹は、振り払って、

「これ! 貴公はもう忘れていたのか。あれほど広言した誓約を」

「なにをぶつぶついう。まあ一杯やり給え」

「馬鹿なっ」

「なに。馬鹿なとはなんだっ。この芋虫めッ」

いきなり酒柄杓で、曹豹の顔を撲りつけ、あッと驚くまに、足を上げて蹴倒した。

五

曹豹は、勃然と怒って、

「おのれ、なにとて我れを辱めるか。よくも衆の前で蹴ったな」

起き直って、つめ寄った。

張飛は、その顔へ、虹のような酒の息を吐きかけて、

「蹴倒したが悪いか。汝は文官だろう。