Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate

Aozora Bunko

二

しかし、事は容易でない。

彼は血の密詔を、そっと袂に入れて、書院のほうへ歩いて行った。

二

侍郎王子服は、董承の無二の親友であった。朝廷に仕える身は、平常外出も自由でないが、その日、小暇を賜わったので、日頃むつまじい董承のやしきを訪れ、家族の中にまじって、終日、奥で遊んでいた。

「ご主人はどうしましたか」

夕方になっても、董承が顔を見せないので、王子服は、すこし不平そうにたずねた。

家族のひとりが答えて、

「奥にいらっしゃいますけれど、先日から調べ物があると仰っしゃって引きこもったきり、どなたにもお会いしないことにしております」と、いった。

「それは、変だな。一体、何のお調べ事ですか」

「何をお調べなさるのか、私たちには分りませんが」

「そう根気をつめては、お体にも毒でしょう。小生が参って、みんなと共に、今夜は笑い興じるようにすすめてきましょう」

「いけません。王子服様、無断で書斎へ行くと怒られますよ」

「怒ったってかまいません。親友の小生が室をうかがったといって、まさか絶交もしやしないでしょう」

自分の家も同様にしている王子服なので、家人の案内もまたず主人の書院のほうへ独りで通って行った。