Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate
「元より私とて、車冑へ答えたことばが、本心ではありません」
「では、すぐさま、玄徳のほうへその由を、そっと報らせてやるがよい」
「使いでは不安ですから、夜に入るのを待って、自身で行って参ります」
やがて陳登は、宵闇の道を、驢に乗って出て行った。そして玄徳の旧宅を訪れたが、玄徳には会わず、関羽、張飛のふたりを呼び出し、車冑の企てをはなした。
そう聞くや否、張飛は、
「さては先ほど、白々しい礼を執って、観月の宴に、お招きしたいとかいって帰った使者がそれだろう。小賢しい曲者めが」と、牙を咬んで、すぐにも軽騎七、八十を引具し、城内へ突入して、車冑の首をひきちぎってくると、はしゃぎたてた。
「あわてるな、敵にも備えのあることだ」
関羽は、彼の軽忽をたしなめ、一計を立てて、夜の更けるのを待った。
「こんなことは、家兄の耳に入れるまでもない些事に過ぎん。ふたりだけで、黙って片づけてしまおう」
関羽の思慮に張飛も服した。
そして共に、彼の立てた計略に従った。
さきに許都からついてきた五万の軍隊は、曹操の旗じるしを持っている。関羽は、その旗幟を利用して、まだ霧の深い暁闇の頃、粛々と兵馬を徐州の濠ぎわまですすめて行った。