Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate

Aozora Bunko

ここへ其奴を引ッ張ってこい」

劉岱は、部下の動揺を戒めて、その夕方、密告に馳けこんできたという二人の敵の脱走兵を、自分の前に呼びだした。

見ると、ひとりはただの士卒だが、もう一名のほうは、手足も傷だらけで、顔は甕のごとくはれあがっている。

「こら、敵の脱走兵。貴様たちは、張飛から策をうけて、今夜、夜討ちをしかけるなどとあらぬことを密告に来、わが陣地を攪乱せんとたくらんできたにちがいあるまい。そんな甘手にのる劉岱ではないぞ」

「めっそうもないことを。……手前どもは鬼となっても、張飛のやつを、全滅の憂き目に会わせてくれねばと……死を賭して、ご陣地へ逃げこんで来た者でございます」

「いったい、なんで張飛に対し、そのように根ぶかい恨みを抱くのか」

「くわしいことは、先にご家来方まで、申しあげた通りで、そのほかに、仔細はございません」

「なんの咎もないのに打擲されたあげく、大樹の梢にしばりあげられたというが」

「へい。あまりといえば、むごい仕方ですから、その返報にと思いまして」

「……これ。誰かあの脱走兵の訴人を裸体にしてみい」

劉岱は傍らの者に命じた。

言下に、訴人の兵は、真っ裸にされた。