Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate

Aozora Bunko

四

さながら死人の原だ。死人の原や死人の山のなかを行く。これが悲しくなくてどうしよう」

「われわれを死人だと。あははは、そういう貴様こそ、おれたちの眼から見れば、首のない狂鬼だぞ」

「いや、いや。わしは漢朝の臣だよ……」

禰衡の返辞は、まるで見当ちがいである。何をまた云いだそうとするのか、荀は面喰らったかたちで、眼をしばたたいた。

四

「なに漢朝の臣だと。――われわれもみな漢朝の臣だ。貴様ひとりが、なんで漢朝の臣か」

「そうだ、漢朝の臣は、ここにはわしひとりしか居ない。おまえ方はみな曹操の臣だろう」

「どっちでも同じこった」

「嘘をいえ、盲どもめ」

「盲だと」

「ああ暗い暗い、このとおり世の中は真っ暗だ。――聞けよ、蛆虫たち、この禰衡だけは、汝らとちがって、反逆者の臣ではないぞ」

「反逆者とは誰のことをいうか」

「もちろん曹操のことである。この禰衡をさして、首のない狂鬼だなどとおまえ方はいうが、反逆者に与するおまえ方の首こそ明日をも知れないものだ」

禰衡と荀の問答を、その周りで聞いていたほかの部将たちは、いよいよ憤って、

「荀※(「或」の「丿」に代えて「彡」、第3水準1-84-30)! なぜそいつを鞍から引きずり下ろしてしまわないのだ。