Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate
どよめく度に、白紅の旗や黄緑の旆は嵐のように揺れに揺れている。
物見を連れたひとりの将が馳けあがってきた。そして、曹操の遠くにひざまずき、
「またも、敵の顔良が、陣頭へ働きに出ました。――あの通りです。顔良と聞くや、味方の士卒も怯気づいて、いかに励ましても崩れ立つばかりで」
息をあえぎながら叫んだ。
曹操はうめくように、
「さすがは強大国、いままで曹操が敵として見た諸国の軍とは、質も装備も段ちがいだ。旺なるかな、河北の人馬は」と、驚嘆した。
関羽は笑って、
「丞相、あなたのお眼には、そう映りますか。それがしの眼には、墳墓に並べて埋葬する犬鶏の木偶や泥人形のようにしか見えませんが」
「いや、いや、敵の士気の旺なことは、味方の比ではない。馬は龍の如く、人は虎のようだ、あの一旒の大将旗の鮮やかさが見えんか」
「ははは。あのような虚勢に向って、金の弓を張り、玉の矢をつがえるのは、むしろもったいないようなものでしょう」
「見ずや、羽将軍」
曹操は指さして、
「あのひらめく錦旛の下に、いま馬を休めて、静かに、わが陣を睨めまわしておる物々しい男こそ、つねにわが軍を悩ましぬく顔良である。