Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate
三
酒を解さない者には、一箇の器物でしかないが、張飛にとっては、わが子にも等しい愛着であろう。その上に、禁酒の約を誓言したのである。その熾烈な心情に打たれ、玄徳はついにこういって彼を許した。
「よくぞ申した。そちが自己の非を知って改めるからには、なんで玄徳も患をいだこう。留守の役は、そちに頼む」
「ありがたく存じます。以後はきっと、酒を断ち、士卒を憐み、よく人の諫めに従って、粗暴なきようにいたしまする」
情に感じ易い張飛は、玄徳の恩を謝して、心からそう答えた。すると糜竺が、
「そうはいうが、張飛の酒狂いは、二つの耳の如く、生れた時から持っている性質、すこし危ないものだな」と、冷やかした。
張飛は怒って、
「何をいう。いつ俺が、俺の家兄に、信を裏切ったことがあるか」と、もう喧嘩腰になりかけた。
玄徳はなだめて、留守中は何事も堪忍を旨とせよと訓え、また、陳登を軍師として、
「万事、よく陳登と談合して事を処するように」
と云いのこし、やがて自身は、三万余騎を率いて、南陽へ攻めて行った。
三
今、河南の地、南陽にあって、勢い日増しに盛大な袁術は、かつて、この地方に黄巾賊の大乱が蜂起した折の軍司令官、袁紹の弟にあたり、名門袁一族中では、最も豪放粗剛なので、閥族のうちでも恐れられていた。