Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
十五とは見えない程、この小娘は身装は小さいし、言葉もひどくませていた。そして時には、人の目をみはらせるような迅こい動作を見せたりするので、武蔵は、遽かに、同情をもてなかったが、膠で着けたような睫毛から、ぽろぽろと涙をこぼすのを見ると、急に抱いてやりたいような可憐さを覚えた。
しかし、この小娘は、決して尋常な教養をうけてはいないらしく思える。野武士という父からの職業を、何ものよりいい天職と信じているのだ。泥棒以上な冷血な業も、喰べて生きるためには、正しいものと、母から教えこまれているに違いない。
もっとも長い乱世を通して、野武士はいつのまにか、怠け者で生命知らずな浮浪人には、唯一の仕事になっていた。世間もそれを怪しまないのである。領主もまた戦争のたびに、彼らを利用し、敵方へ火を放けさせたり、流言を放たせたり、敵陣からの馬盗みを奨励したりする。もし領主から買いに来ない場合は、戦後の死骸を剥ぐか、落人を裸体にするか、拾い首を届けて出るか、いくらでもやることがあって、一戦あれば半年や一年は、自堕落にて食えるのであった。
農夫や樵夫の良民でさえ、戦が部落の近くにあったりすると、畑仕事はできなくなるが、後のこぼれを拾うことによって、不当な利得の味をおぼえていた。