Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
お甲の声であった。
朱実は、母に抱いている平常の不満が、こんな時、すぐ言葉つきに出た。
「この子が、又八さんを尋ねて来たから、理を話しているんじゃありませんか。人を奉公人だと思ってる」
窓に見えるお甲の眉は焦だっていた、また病気が起っているらしい。そういう口をたたくまでに誰が大きく育てて来てやったのか――といいたげに、白い眼を投げて。
「又八? ……又八がどうしたっていうのさ、もうあんな人間は、家の者じゃなし、知らないといっておけばいいんじゃないか! 間がわるくって、戻れないもんだから、そんなお菰の餓鬼に頼んで何かいってよこしたんだろう。相手におなりでない」
城太郎、呆っ気にとられ、
「馬鹿にすんない。おら、お菰の子じゃねえぞ」
と、呟いた。
お甲は、その城太郎と朱実の話を監視するように、
「朱実っ、お入りっ」
「……でも、河原にまだ洗い物が残っていますから」
「後は、下婢におさせ。おまえはお風呂に入って、お化粧をしていなければいけないでしょ。また不意に、清十郎様でも来て、そんな姿を見たら、愛想をつかされてしまう」
「ちッ……あんな人。愛想をつかしてくれれば、オオ嬉しい! だ」