Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
その程度の想像はしてみる。謝るなら、自分も、一緒になって、宝蔵院衆に謝ろうと思う。
どっちがいいとか悪いとかなどは、問題でない。
そこへ武蔵が足を止め――城太郎――こう呼んだので彼はわけもなくドキッとしたのだった。しかし、自分の顔いろは、きっと蒼くなっているだろうにと考え、それを武蔵に見られまいとするらしく陽を仰いだ。
武蔵も上を仰いでいる。心ぼそいものが世の中のこう二人みたいに、城太郎の気持をつつんだ。
案外、次に出た武蔵の言葉は、ふだんの調子とちっとも変っていない。こういうのだ。
「いいなあ、これからの山旅は、まるで鶯の声を踏んで歩いて行くようじゃないか」
「え? なんですか」
「鶯がさ」
「あ。そうですね」
うつつである。朱くない少年の唇でも、武蔵にはそれが分った。かわいそうな子だと思うのであった。ことによれば、これきりで別れになるかも知れないと考えるからである。
「般若野がもう近いな」
「え、奈良坂も過ぎましたよ」
「ところで」
「…………」
あたりに啼きぬく鶯が、ただ寒々しいものに城太郎の耳を通ってゆく。城太郎の眼は、硝子玉のように曇って、武蔵の顔をぼうと見上げている。