Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
きょうこそまたとない、実地の稽古日のように。
――武蔵は、咄嗟に、
(新手!)
と感じて飛び退っていた。
(見事に死のう!)
もう疲れて霞んでいる脳裏でふとそう考え、血糊でねばる刀の柄を両手でぎゅっと持ったまま、汗と血でふさがれた眼膜をじっと瞠っていたが、彼に向って来る槍は一つもなかった。
「……や?」
どう考えてもあり得ない光景が展開されていた。茫然と、彼は、その不可思議な事実を見まわしてしまった。
なぜならば、坊主あたまの槍仕たちが、われがちに獲物を争う猟家の犬みたいに、追いまわしてズブズブ突き刺しているのは、彼らとは、味方であるはずの牢人たちへ向ってであった。
からくも、武蔵の太刀先から逃げ退いて、ほっとしかけていた連中までが、
「待てっ」
と、呼ばれたので、まさかと思って待っていると、
「蛆虫めら」
と不意の槍先に突っかけられて、宙へ刎ね飛ばされたりした。
「やいっ、やいっ、何するんだっ、気が狂ったか。馬鹿坊主め、相手を見ろっ、相手が違うっ」
と叫んだり転げたりする者の尻を狙って、撲る者があるし、突く者があるし、また、左の頬から右の頬へ槍を突きとおして、槍を咥えられたと思い、