Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
あの時の城太さんの顔つきは、今にも泣き出してしまいそうでしたよ」
「それや、驚いたからさ」
「驚いたのは、おまえよりも、私のほうでした。――おまえのお師匠様が、宮本武蔵というのだと聞いた時――私は余りのことに口がきけなかった」
「お通さんは、どうしておらのお師匠様を前から知っていたんだい」
「同じ故郷の人ですもの」
「それだけ」
「ええ」
「おかしいなあ。故郷が同じというだけくらいなら、何もゆうべ、あんなに泣いてうろうろすることはないじゃないか」
「そんなに私、泣いたかしら」
「人のことは覚えていても、自分のことは忘れちまうんだな。……おらが、これは大変だ。相手が四人だ、ただの四人ならよいが、みんな達人だと聞いていたから、これは捨てておくと、お師匠様も、今夜は斬られるかも知れない……。そう思ッちまって、お師匠様に加勢する気で、砂をつかんで、四人の奴らへ投げつけていると、あの時、お通さんが、どこかで笛を吹いていたろう」
「ええ、石舟斎様の御前で」
「おれは、笛を聞いて、ア、そうだ、お通さんにいって、殿様に謝ろうと胸の中で考えたのさ」
「それでは、あの時、私のふいていた笛は武蔵様にも聞えていたのですね。