Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Leggi 胡堂百話 (こどうひゃくわ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 124.386 caratteri · 248 schermate

Aozora Bunko

西洋式の庭園では、バラの花のトンネルを作るが、ちょうど、あれと同じ具合で、黄色い花が一面に咲き、かすかに肥料のにおいがただよう。

やっと、玄関にたどりつくと、三尺ばかりの厚い板が、鎖で、ぶらりと吊ってあり、古雅な字体で「田牛」と彫ってある。その脇には別行で「音声経済」と、これは楷書で入れてある。

柱には、松の枝が、かけてある。古い松の木には、枝にコブが出来ることがあるが、あれをそのまま利用して、太鼓のバチの形に仕立てたのだ。

これを振り上げて「田牛」の板を引っぱたくと、僧堂の木魚のような音がする。とたんに女中さんが顔を出すという仕掛けである。

何時も通されるのが書斎兼応接間の洋室で、椅子が三つ。テーブルが二つ。その向うに簡単な寝台がある。客がなければ本を読み、疲れれば、そのまま横になるという簡単明瞭な生活なのだ。

「号を北雷と称するのは、キタナリと読ませるのだそうですね」

「そうだ。着たなりだ。この詰襟服一着を、一年中、着たなりだ」

私も、盛岡中学以来、その方では後に引かないが、田尻北雷博士だけには、これは、絶対に段違いだ! とキモをつぶした。

法学博士、学士院会員、会計検査院長、勅選議員、子爵という肩書にもかかわらず、着たなりの小倉服は、たてよこにすり切れて、別の布で切り貼りしたのがまた穴があいている。