Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Leggi 胡堂百話 (こどうひゃくわ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 124.386 caratteri · 248 schermate

Aozora Bunko

「銭形百話」の裏話

何も被害の額によって、笑ったわけではないことを、無言の中に、弁解しながら、急に人なつっこい声になって、

「銭形の親分さんともあるものが、スリにやられるとは、不覚でしたね」

と、いった。

私は、なんとも言葉が出なくて、無暗にペコペコ、お辞儀をした。傍では、老妻が、大声をあげて笑い出した。仕方がないから、私も結局、笑ってしまった。

死んだ菊池寛氏は、

「うっかり、銀座を歩けないのが不自由だ」

と、こぼしていた。私は、菊池寛氏ほど一目瞭然の顔ではないし、大抵は大丈夫と思っていたが、案外のところに、ファンが、いるものだ。そして、その案外が、どこにあるか分らないから、おちおち、物を食べにも行かれない。

映画女優や野球選手は、全く大変だろうと思う。だから、私は、あまり外出しない。それさえ、眼を悪くしてからは、できなくなった。やはり、自分の家の中が、大きな顔をしていられて、一番いい。

「銭形百話」の裏話

この文章も五十回になった。五十というのは、人によっては、魔の五十回などという。長編小説で、五十回目あたりが、一番、息の切れる難所というわけである。

正直のところ、銭形平次三百八十三編も、第五十話あたりが、最も骨が折れた。