Classici giapponesi con furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Leggi 胡堂百話 (こどうひゃくわ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 124.386 caratteri · 248 schermate
剣の道
花井博士は、それを強調するのだった。
それから十七、八年たって、私は銭形を書きはじめた。人によっては、銭形平次を、勧善懲悪だと批評する。しかし、この批評はありがたいようで実はありがたくない。勧善懲悪というのは、滝沢馬琴流の忠孝仁義のにおいがするからだ。
平次が追及するのは、人間としての善意の有無である。事件の動機に立ち入って、偽善者と不義を罰し、善意の下手人は逃がしてやる。
「法のユートピア」といってもよい。こんな理想境は、マゲモノの世界の中に、打ち立てるよりほかはない。
剣の道
「時代小説の筆者なら、刀剣類は、いいものをお持ちでしょうな。若い時には、剣道なども……」
と、見当違いの質問を受けることもある。雑誌の口絵に載せるのだから、刀を抜いて、眺めているところを写真にとりたいといって来たこともある。
舞台の国定忠治なら、小松五郎の一刀を、月にかざして見栄も切ろうが、私のうちには、あいにくとナイフさえない。刃物と名のつくものは、鉛筆けずりでも、きらいなのだ。
一体、世の中には、チャンバラと捕物とを一緒くたにするあわて者が、あるようだ。銭形平次も八五郎も、四文銭と十手のほかに、刀も脇差も持っちゃあ、いない。